キーフレームの設定
これまではキーフレームを打ったらそれでアニメートの編集は完了でしたが、今度はキーフレームの設定をしてみましょう。今までモーションで3つのキーフレームを設定した場合、単純にそのキーフレームの上を通って直線的に動くだけでした。しかしキーフレームの「補間法」を変更することでこの動きに変化を持たせることができるようになります。「補間法」を理解するのは少し難しいですが、習得することで細かなニュアンスを含んだアニメートを表現できるようになります。
補間法の種類
まずは「補間法」の種類について見ていってみようと思います。「補間法」と言うと何だか難しそうに聞こえてしまいますが、簡単に言うと「どのようなルートでキーフレームの上を通るか」を決めるものです。この補間法は各キーフレーム毎に設定・変更ができます。基本的には補間法は以下の「リニア」「ベジェ」「停止」の3種類に分類されます。今回は例として3つのキーフレームを打った場合を見てみましょう。
初期設定では補間法はこの「リニア」になっています。
ベジェで補間する場合には「ハンドル」が表示されます。ハンドルはドラッグで動かすことができ、ルートの膨らみ具合やキーフレームを通る際の角度を調節することができます。始点と終点はハンドルが1つだけになります。
補間法の変更
キーフレームの上で「右クリック」をします。すると「時間補間法」と「空間補間法」の2つがあると思うのでどちらかを選択します。時間補間法では「移動時の加速と減速(スピード)」、空間補間法では「移動時の経路(ルート)」を制御します。先程書いた「停止」はスピードに関する制御になるので「時間補間法」にしか存在しません。
「連続ベジェ」「自動ベジェ」は基本的には「ベジェ」と同じです。「ベジェ」では左右のハンドルが独立して動きましたが、「連続ベジェ」は左右のハンドルが連動して動きます。また「自動ベジェ」はハンドルを動かすことができずルートは自動的に制御されます(ハンドルを動かすと自動的に「連続ベジェ」に変更されます)。
空間補間法は「座標(位置)」が関連してくるものにしか存在しません。例えばモーションだと「位置」「アンカーポイント」です。「回転」「スケール」などには時間補間法しかありません(時間補間法はすべての項目に存在します)。
空間補間法の制御
先程と同じく今回も3つのキーフレームが打ってある場合を例として見てみましょう。真ん中のキーフレームの空間補間法の制御をしてみようと思います。
キーフレームの上で「右クリック」→「空間補間法」と進みます。ここでは例として補間法は「ベジェ」を選択します。
モニタパネル(プレビュー)にある空間補間法の制御をしたいクリップをクリックするとハンドルと軌跡(ルート)が表示されるので、ハンドルをドラッグで動かしルートを調節します。
このときキーフレームで指定している「位置」が×印で表示されていますが、この×印もドラッグで移動することが可能です。数値入力では固い動きになってしまいまがちなので同時にこちらも微調整しておくとよいかもしれません。
時間補間法の制御
またまた先程と同じく3つのキーフレームが打ってある場合を例として見てみましょう。今回はビデオクリップの移動スピードが「徐々に加速 → 頂点で最高スピード → 徐々に減速する」となるように制御してみます。タイムラインにあるクリップのファイル名よ右側をクリックします。ビデオクリップ・静止画クリップの場合デフォルトでは「不透明度:クリップの不透明度」となっていると思います。
今回はクリップの移動スピードを変更したいので「モーション」→「位置」と進みます。
クリップの上にキーフレームが表示されます。
キーフレームの上で「右クリック」をするとそのキーフレームの時間補間法が選択できます。今回は例として「連続ベジェ」を選択します。
ハンドルが青色で表示されているのですが背景にクリップの内容が表示されているため見にくくなってしまいました。このような場合はトラック左側にある「フィルムのマーク」をクリックしてクリップの表示方法を変更しましょう。
ハンドルを上側へドラッグします。ハンドルが表示されていない場合はキーフレームをクリックして下さい。
ハンドルが小さく色も少し見づらいですがハンドルの色変更はできないようなので困ったものです(クリップの色は変更することができます)。
モニタパネルの軌跡をあらわす点線の間隔が変わりました。点線の間隔が狭いほど移動スピードが遅い、反対に間隔が広いほど移動スピードが速いことを示しています。
狭くて調整がしづらい場合にはトラックの表示サイズを変更しましょう。
タイムライン左端でクリップの上端あたりにカーソルを合わせると形が変わるので、ドラッグで表示サイズを調節します。
元に戻す場合は、タイムライン左端で「右クリック」→「トラックの表示サイズ」→「小」とすればOKです。
時間補間法の種類を変更するとプロパティに表示されるキーフレームの形が変化します。
キーフレームの形が変化するのは「時間補間法」を変更した時だけです。「空間補間法」を変更してもキーフレームの形には何の変化もありませんので混同しないように気をつけて下さい。
キーフレームの形は選択した時間補間法によって異なります。
「イーズイン」と「イーズアウト」
時間補間法には「イーズイン」と「イーズアウト」というものもあります。これらはベジェのハンドルの設定(プリセット)の一種で、キーフレーム通過直前/直後のクリップの移動スピードを自動で減速/加速してくれる機能です。そのためイーズインとイーズアウトのキーフレームの形は「ベジェ」になります。ワンクリックで簡単にスピードの変化をつけられるのが特徴です。文章だけだと分かりにくいと思うので、実際に真ん中のキーフレームに「イーズイン」と「イーズアウト」を設定してみましょう。
「イーズイン」により真ん中のキーフレームに近づくにつれスピードが徐々に減速しています。
また「イーズアウト」の効果で真ん中のキーフレームから離れて行くにつれてスピードが徐々に加速しています。
車がカーブ手前で徐々に減速する様子が「イーズイン」で、カーブを曲がった後に加速する様子が「イーズアウト」と考えると分かりやすいかもですね。
他のエフェクトにも補間法を使う
上では「時間補間法」「空間補間法」を使い「モーション」のアニメートの編集を行ってきましたが、これらの「時間補間法」「空間補間法」は他のビデオエフェクトのにも使えます。ただし空間補間法は「座標」に関連する項目にしか存在しないというのは、他のビデオエフェクトでも例外ではありません。空間補間法が存在するものの例としては「ガベージマット」の頂点位置の設定などです。また「オーディオエフェクト」にも補間法を使うことができます。オーディオには「座標」という概念が出てこないのでこちらで使えるのは「時間補間法」のみです。
このページに書かれていることを理解していれば、すべてのエフェクトで補間法を使うことはそこまで難しいものではないと思います。ぜひ動画編集に活用してみましょう。
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