コーデック

PCやiPodなどで音楽を楽しんでいる方は「MP3」という言葉を聞いたことがあると思います。実は「MP3」というのはコーデックの種類を指しているのです。コーデックの役目はデータを圧縮することでのファイルサイズを小さくすること、つまりMP3の場合は音楽データを圧縮しています。PC や iPod に保存できるデータの量には限りがあります。そのためコーデックで音楽データのファイルサイズを小さくし、より多くの音楽を保存できるようにしているのです。

同様に、映像(ビデオ)にもコーデックがありファイルサイズを小さくします。「H.264」というコーデックが有名ですね。設定によっては画質をなるべく維持したままファイルサイズを約100分の1にすることができる優れたコーデックです。このコーデックは ニコニコ動画,YouTube などの動画サイト、ブルーレイ でも使用されています。

「動画」というのは「音声」と「映像」が組み合わさってできていますよね。そのため、動画には「音声」と「映像」の2種類のコーデックが必要になります。「音声用のコーデック」と「映像用のコーデック」はそれぞれまったく別のものなので、区別をするために「音声コーデック(オーディオコーデック)」「映像コーデック(ビデオコーデック)」と言い分けることもあります。
コーデックの種類
音声コーデックMP3, AAC, ATRAC, FLAC など
映像コーデックH.264, MPEG-2, DivX, Huffyuv など

「AVI」はコーデックではない

動画編集入門者の中には、ファイルの拡張子はコーデックの種類をあらわしていると思っている方がいるようです(動画ファイル「Sample.avi」なら「avi」が拡張子)。しかし、これは間違っています。

例えば「AVI」は「コンテナ」と呼ばれるもので、コーデックではありません。コンテナという単語からも分かるとおり「AVI」は「単なる箱(入れ物)」に過ぎません。この箱の中に「映像」や「音声」を入れることで、はじめて「AVI」は「動画ファイル」となります。

もちろん「AVI」に入っている映像と音声はそれぞれコーデックで圧縮することができます。ただ、どのコーデックを使用するかは場合によって異なります。そのため「映像コーデック:DivX、音声コーデック:MP3」というAVI動画もあれば、「映像コーデック:H.264、音声コーデック:AAC」というAVI動画もあるわけです。だから、コーデックを聞かれた際に「AVI」と答えるのは不適切なのです。

ちなみに「AVI」以外には「MP4」「FLV」「MOV」もコンテナです。ただし「MP4」は慣例的に「映像コーデック:H.264、音声コーデック:AAC」なことがほとんどなので、「MP4」と伝えてもあまり問題はないでしょう。


コンテナの概念


コーデックの2つの役目「エンコード」と「デコード」

コーデックには「エンコード」と「デコード」という2つの役目があります。「エンコード」とは動画を圧縮することを指します。最初の項で書いた内容ですね。「デコード」とは圧縮された動画を元に戻し再生することを指します。

動画編集をする方になじみ深いのは様々な設定が必要となる「エンコード」の方だと思います。デコードはPC(動画プレイヤー)が自動でしているため"動画をデコードをしている"という意識は私たちにはほとんどありませんが、動画の「圧縮」と「再生」どちらの場合にもコーデックが使われているということは一応覚えておきましょう。

ちなみにエンコードをするためのソフトやプログラムなどを「エンコーダ」、同様にデコードの場合は「デコーダ」と言います。


圧縮に優れているコーデックはPCに負荷がかかる

圧縮に優れたコーデック(H.264など)はエンコードとデコードの処理も重くなる傾向があります。というのも、そのようなコーデックは複雑な計算処理をすることでファイルを効率良く圧縮しエンコードをしているからです。そのためファイルをデコードする際にも複雑な処理が必要になり動画再生時も他のコーデックと比べPCへの負荷が大きくなるのです。

これは動画編集の際にも言えることで、圧縮率に優れたコーデック(H.264など)の映像を素材として Premiere Elements で使用するとソフトの動作が非常に重くなることがあります。必ずしもファイルサイズが小さければ再生が軽いというわけではありません。同じ映像でも「H.264」ではなく「無圧縮」や「可逆圧縮」を使った方がソフトの動作が軽くなったという経験が私自身にもありました。素材として使う映像のコーデックが圧縮に優れたものかどうかということにも目を向けるようにしてみましょう。

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